体臭をなくす。|ホントなの?ウソなの?

においに敏感なままだと、人類は絶滅していた。

ホント

 人間は、嗅覚が他の動物に比べて劣っている。それは、視覚を中心にして人類が進化してきたということもあるが、もし人間が嗅覚に敏感なままだったら、おそらく絶滅していただろうという学説がある。これはタスマニア大学のストダート博士の説である。(「人体・ふしぎ発見、『他人の匂い』から『心の奥』まで」高田明和著 講談社ブルーバックス)
 人類がまだアフリカの森林地帯に住んでいた頃は、1人の男性を中心に1人、あるいは数人の女性が、それぞれ子供を引き連れて生活していたと考えられる。この時期、女性は発情期になるとフェロモンを発散し、男性を引き付けて子供を産み、群れを維持していたことであろう。
 しかし、だんだんと大型の動物を狩るようになると、1家族では手に負えず、いくつかの家族が集団を作って、一緒に行動するよう、生活形態が変わっていく。しかし、このような中で、発情期の女性のフェロモンに、男性が敏感な嗅覚を持っていると、集団の秩序は維持できず、集団そのものが崩壊してしまう。
 こうして人類はある種の淘と う汰た を繰り返しながら、嗅覚に敏感ではないグループが生き残り、発情期のフェロモン分泌も少なくなったという。また、人類が頭脳と手先の器用さを発揮するようになると、嗅覚を用いて食べ物を発見する必要もなくなっていく。  人間の嗅覚が退化していったのは、進化における必然であったという説なのである。

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