頭部に殴打を繰り返し受けると脳挫傷(ざしょう)といい脳組織に損傷を生じ、それがもとで外傷性痴呆になることがある。いわゆるパンチドランカーと呼ばれる状態である。「拳闘家痴呆」ということばもあるくらいで、スポーツとはいえボクシングを長い間続けるのは危険だ。
ボクサーの脳をみるとアルツハイマー型痴呆とおなじ老人斑や神経原線維変化が認められる。試合や練習でたえず頭を打たれることによって、脳に老化と同様の変化が生じたものと考えられている。
また、脳挫傷の起こり方によっては、ドーパミンというホルモンの不足によってパーキンソン症候群という状態になることもある。筋肉の動きが滑らかでなくなるこの病態は、見た目「ボケ」てきたように映る。あの偉大な元世界ヘビー級チャンピオンのモハメッド・アリのアテネ五輪における痛々しい姿は感動とともにお茶の間の話題になったのはまだ記憶に新しい。
ただし、「こらっ。勉強しなさい! ポカリ」ぐらいではこうはならないのでご安心を。
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